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ブラックバードミュージック

Author:ブラックバードミュージック
ブラックバードミュージックは、等身大のアイルランド音楽の魅力を本国直送で日本へ紹介することを目的としたプロジェクトです。
名古屋のフィドル奏者小松 大と、在アイルランドの望月えりかが共同で運営しています。

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シンプルであること

2014.07.03 06:17|アイルランド音楽を学ぶ
アイルランドは学校も6月の下旬から夏休みに入り、本格的な夏を迎えています。
集客が期待できる夏のシーズンは、各地でアイルランド音楽のフェスティバルが盛んに行われる季節でもあります。

今週末にクレア州のミルタウンマルベイ(Miltown Malbay)で始まるウィーリー・クランシーサマースクール(Willie Clancy Summer School)を合図に、アイルランドは世界中から集まるアイルランド音楽ファンの訪問客で賑わいます。

アイルランド各地から集まる人々は、曲のレパートリーも違えば演奏のスピードもまちまち、リズム一つをとっても同じものはありません。
また、海外からのミュージシャンたちに至っては、そもそもアイルランド音楽に対する解釈の違いがあるように思えます。それは彼らのお国柄を反映しているようでもあり、観察していると面白いものです。

そんな環境の中でアイルランドのミュージシャンたちの演奏を聴いていると、意外にも彼らの演奏の多くがシンプルであることに気がつきます。
ここで言うシンプルとは、つまり飾り=装飾(オーナメンテーション)が少ない、もしくはオーナメンテーションを多用していても、それに気がつかないほど演奏がスムーズであるということです。

言うまでもないことですが、アイルランド音楽はオーナメンテーションがなくとも十分に成り立つ音楽です。
むしろ、彼らの演奏を聴いていると、オーナメンテーションなどではない、何かもっと大きな別のエネルギーによって突き動かされているように思います。

このエネルギーこそが、私たちの心を駆り立て、アイルランド音楽のとりこにする源ではないでしょうか。

アイルランド音楽におけるオーナメンテーションとは、おかしなものです。
というのも、アイルランドでは誰もが「オーナメンテーションは必ずしも必要ではない」と言います。しかし一方では、ほとんどのミュージシャンたちがオーナメンテーションを入れた演奏をします。

これはどうしたことでしょうか。

日本で行われたパットとオーインのワークショップで、二人が繰り返し伝えようとしていたことがキーのようです。
「(オーナメンテーションをやる前に)まずはシンプルに曲を弾けるようになること」

アイルランド音楽を演奏するうえで、これほど重要で、また難しいことはありません。

アイルランド音楽のワークショップや個人レッスンの場で、必ずと言っていいほど出る要望に「装飾音(オーナメンテーション)を教えてほしい」というものがあります。
アイルランド音楽ならではのオーナメンテーションができてこそ、アイルランド音楽が演奏できると考える人が、海外を中心に多いようです。

もちろん、このような学びの場でロールやトリプレットといった実際のオーナメンテーションを手ほどきすることも決して珍しくありません。ワークショップで一つの曲を習う際、「ここにこの装飾を入れるように」と指示する講師も数多くいます。

しかしながら、考え方としてはやはり「まずはシンプルに曲を弾けること」が先に来ると、そのあとがよりスムーズに運行されるように思います。できるだけシンプルにその曲を弾けて、そこで初めて自分なりのオーナメンテーションやアクセントをつけていく。
これは女性のメイクと一緒で、いくら華やかなアイシャドーや口紅を塗りたくっても、ベースがきちんと用意されていなければ台無しですね。

装飾音あってのアイルランド音楽、ではなく、装飾をほどこす前のベース作りがしっかりしてあれば、あとはそこに何を乗せようが乗せまいが、アイルランド音楽になってしまうのではないでしょうか。

去年のフィークルのフェスティバル中、メアリー・マクナマラ(Mary MacNamara)によるコンサーティーナのワークショップに参加されたある女性の話が、今でも忘れられません。

「メアリーの演奏は実にシンプルで、私たちに課題曲を弾いてくれた時もメロディー以外には何も加えず弾いてくれた。それだけで、十分アイルランド音楽になり得ていたのが素晴らしかった」

アイルランド音楽とは何なのか。
さまざまな回答があり、さまざまな見解のある、一言ではとても言い尽くせないテーマです。

私にとっては、シンプルな演奏を聴けば聴くほど、考えさせられるテーマでもあります。


望月えりか

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