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ブラックバードミュージックは、等身大のアイルランド音楽の魅力を本国直送で日本へ紹介することを目的としたプロジェクトです。
名古屋のフィドル奏者小松 大と、在アイルランドの望月えりかが共同で運営しています。

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ABC譜と五線譜

2015.05.08 19:41|アイルランド音楽を学ぶ
去年の夏に初めて開催された「Feakle Irish Music Camp」では、合わせて8人のアイルランド人講師たちにワークショップを担当してもらいました。

フィドル、フルート、コンサーティーナの各ワークショップでは、楽譜を全く使わずに耳で覚えて課題曲を教えるスタイルの講師と、楽譜を用意して参加者の皆さんに配布した講師がいました。
どちらのケースもアイルランドにおけるレッスンとしては当たり前の風景で、講師が生徒たちに何を求めているか、どんな風に音楽と向き合ってほしいかといったスタンスによって、教え方のスタイルも違ってくるようです。
さて、このうち楽譜を事前に用意してくれた講師たちの「楽譜」そのものについて、今日は簡単にお話をしたいと思います。

既に見慣れている方もいらっしゃるかもしれませんが、アイルランドで配られる楽譜はいわゆる「おたまじゃくしの並ぶ五線譜」ではありません。
こちらです。

ABC譜 (3)

「ABC譜」と呼ばれるものです。
ABC譜はアイルランド音楽において最も一般的な記譜法で、アイルランドでワークショップやレッスンを受ける際にもらうのも、このABC譜である場合が多いです。

ABC譜は複雑な知識を必要とせず、分かりやすく簡単に記すことができるので、アイルランド音楽を譜に起こすにはぴったりなのです。

「でも、アイルランド音楽の楽譜集のほとんどは五線譜で書かれています。それはなぜ?」と思われる方も多いかもしれません。
実際にその通りで、数あるアイルランド音楽の曲集は五線譜で表されています。

楽譜集

この背景には、しっかりした出版物は五線譜に起こすものである、というフォーマルな考え方があるのではと推測されます。ただこのことがイコール、アイルランドの人々の間では五線譜が当たり前、ということではないところが私たちを混乱させるのかもしれません。

むしろ、アイルランド国内の伝統音楽において、五線譜は驚くほど普及していません。
音楽を習う子どもたちや初心者に限らず、アイルランド音楽のシーンでは名の通った音楽家たちでも「五線譜は読めない、書けない」、「苦手」という人々がおり、しかもそれはさして驚くべき事実でもありません。
裏を返せば、五線譜が読めなくとも問題ない、さして障害にはならない、ということがアイルランド音楽の特徴であるとも言えます。
ABC譜の読めない人というのはさすがにいないと思いますが、楽譜の読める読めないがさして重要でないというところからも、アイルランド音楽が本来、譜には頼らない音楽である、耳で聴き、体で習得し、人から人へ伝承されてきた音楽であることが窺えます。

では、これら五線譜で書かれた曲集は一体誰が使っているのでしょう。
アイルランド人で五線譜をスラスラ読める人は少なく、こうした曲集をフルに活用しているのはクラシック音楽の素養のある多くの外国人と一部のアイルランド人・・ということになってきます。
「オニールズの曲集は持ってるけど、曲名を調べたい時や曲の始まりの部分が思い出せない時などにチラッと使うだけ」という人も多いです。

話が少々それますが、そもそも誰かによって編集されたこれらの曲集から曲を無差別に選んで練習する、という曲の覚え方をしないのです。

それよりも、「ミルタウンのウィーリークランシーのフィドルクラスで、2008年にジェイムス・ケリーから習った曲」、「よく行くセッションで○○さんがよく弾いている曲」というように、教わった場所や人物の思い出もすべてひっくるめたものを曲として保存し、丁寧に練習して自分のものにしていくほうがずっと奥深く、一曲一曲に対して愛着がわくものです。
実際、こうして集めた手書きによるABC譜を専用のフォルダーに入れて、大切に弾いている人が多いように思います。

以上、アイルランドの伝統音楽におけるABC譜と五線譜の話でした。
次回はこのABC譜について、更に詳しく書いていきたいと思います。


望月えりか

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