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ブラックバードミュージック

Author:ブラックバードミュージック
ブラックバードミュージックは、等身大のアイルランド音楽の魅力を本国直送で日本へ紹介することを目的としたプロジェクトです。
名古屋のフィドル奏者小松 大と、在アイルランドの望月えりかが共同で運営しています。

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パット・オコナーのフィドルワークショップ@中野サンプラザ(東京) レポート

こんにちは、ブラックバードミュージックの望月えりかです。
11月も終わりに近づきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

私たちは長引いた時差ぼけも完治し、アイルランドでのいつもの生活に戻っています。
フィークルの自宅に戻った途端、地元で行われるさまざまな音楽関連のイベントに出向いたり、またパットの生まれ故郷の町エニスにはエニストラッドフェスティバルの余韻も残る中、3週間の日本滞在中に感じ入ったアイルランド音楽について、思いを巡らせています。
ブラックバードミュージックのこちらのブログで、今後書いていきたい内容がふつふつと湧いてくる今日この頃ですが、まずはパット&オーインの来日ツアー2014のレポートを引き続き更新していきたいと思います。

11月8日(土)に、東京の中野サンプラザにてパット・オコナーによるフィドルのワークショップが開催されました。
コールタスキョールトリエーラン(通称CCEはComhaltas Ceoltóirí Éireannの略)の東京支部に共催をいただいての企画でした。

参加者の皆さんは、聴講の方を合わせて8人。この人数で3時間という贅沢なセッティングのワークショップとなりました。
参加者の方にワークショップの感想もいただきましたので、こちらを織り交ぜながらのレポートとさせていただきます(青文字に反転させてある部分が、皆さんからの感想です)。

さて、このフィドルワークショップには、あらかじめ出されていた課題曲がありました。
「Garret Barry’s」というリールです。(こちらで曲をご確認いただけます→The Session

ワークショップは、この課題曲を受講者の皆さん一人一人に演奏してもらうところからスタートしました。

パット中野ワークショップ2014 (5)

曲が頭の中に既にあり、更にはそれを自分なりに演奏する段階におられる方から、プリントアウトした楽譜を見ながらの方までいらっしゃいます。
パットは、この曲を小節ごとに区切って丁寧に細かいニュアンスを教えていきます。楽譜に並ぶ音符を追うのではなく、その曲のメロディーの骨格をとらえる。そこからスタートすることの大切さを強調します。

私は大胆なアレンジ、華やかな装飾も好きですが、元の旋律の流れを大切にするパットさんの音楽の美しさにハッとしました。

「メロディーを十分に理解したあと、ここに初めていろいろな要素を付加していくことができる。ここの部分でこんなことをやってみてもいいし、こんな音を入れてみてもいいよね」

「大切なのは、曲の骨格が分かる前にいろいろ入れようとしないこと。何度も弾いて、その曲の裏表が分かるようになること。この順番を間違えると、曲の流れを壊すことにもなるし、美しい音楽にはならない」

アイルランド音楽には、さまざまなアプローチの仕方があると思います。どれが正解、というものがないのもこの音楽の魅力ですが、パットが今回の来日ツアーで一貫して伝えていたメッセージは「できるだけシンプルに弾くこと」。
一曲一曲の持つ旋律の美しさを理解することが、この音楽を表現する第一歩につながる、ということでした。

これまでは楽譜でメロディを覚え、曲を一通り弾けるようになったらそれで満足してしまうことが多かったのですが、 一つ一つの曲がとても奥が深く、様々な変化の可能性を持っていることに気付きました。
曲に対する理解を深めることで、弓使いや装飾音などの変化を加え、一つの曲を様々なヴァリエーションで弾けるようになりたいと思いました。



アイルランド音楽における練習法についても質問が出ました。
クラシックヴァイオリンをやっておられる方は、スケールなどの基礎練習からはじめる場合が多いようです。
それに対しパットは「僕の場合は、最近気に入っている曲を弾いて、ここはこういう弾き方もできる、こんなこともいいかも、と遊ぶような感覚で練習している」と言います。

「1曲を通して弾く必要もなく、その曲のある部分だけ繰り返し練習してもいいし、誰かに聴かせるわけではないのだから途中で一呼吸おいてもいいし、タイミングがずれたっていい。その曲と自分が向き合えていればどんな形でもいいんじゃないか」

曲の覚え方についても言及がありました。
何千とあるアイルランドのダンス曲。その莫大な量に圧倒され、どこから手をつけていいのか分からないと感じる方も多いのではないでしょうか。

「(いろいろな場面で新しい曲に遭遇することはあるけれど)印象に残らなければ忘れてもいい。気になった曲は、またどこかで必ず聴くチャンスがある」というパットさんの言葉に勇気づけられました。

「自分の本当に好きな曲を探すこと。好きな曲に出合ったら、その曲を繰り返し弾いて自分のものにしていってほしい」

ワークショップでは、受講者の方とパットがあるジグを数小節ごとに区切って、交互に歌い合うシーンもありました。

「音楽って、会話みたいなものでしょう?僕たちはみんな誰かに話をする時に、抑揚をつけたり、強調したりして相手に伝えようとするよね。音楽もそれと同じだと思うんだ」

歌いながらメロディを覚え、その歌に合わせて楽器を弾いていくという流れが新鮮でした。

パットさんの歌い方は抑揚がはっきりとついていて、こうやって歌えばリズムが見えてくるんだな、と勉強になりました。


「楽器を通して最初から音楽を表現しようとすると、難しいよね。楽器を使う前に、その曲を実際に歌ってみれば、それがどんな旋律の曲なのか、どこにアクセントがあってどんな流れのある曲なのか、分かってくると思うんだ」

そんなことに注意しながら、受講者の皆さんと一緒に曲を口ずさむトレーニングも行いました。
歌うことの大切さ。どんな音楽においても有効な練習法ではないでしょうか。

以下、皆さんからいただいたワークショップに関するコメントです。

リズムはこの音楽の中のとても重要な位置にあるのだとは思いますが、その上に成り立つ表現がとても大切なことなのではないか、ということを教えて頂いた気がします。

普段の自分の練習の仕方を振り返って、たくさん反省した一日でした。でも、これから自分がやるべきことがハッキリとわかった一日でもありました。

装飾音とか技術偏重のワークショップは多いと思いますが、最も演奏者が気を払うべきリズム等にフォーカスされているこのワークショップは貴重です。

パットさんが非常にシンプルに演奏しているのを見て、アイルランド音楽は旋律そのものが美しいので、過剰な装飾は必ずしも必要ではないのだ、と思いました。

一度は理解しても記憶は時間とともに薄れ変質していきます。定期的に記憶をリフレッシュする必要があり、来日される度イベントに参加させていただいています。

良い音楽を演奏したいのであれば、優れた音楽家と出来るだけ長い時間を共有すべきと考えます。なので、定期的に皆さんが来日して下さっているのは大変ありがたいことで、機会を活用させていただいています。

短い時間の中でも目から鱗が落ちるほどの学びがありました。望月さんの通訳を通して疑問に思っていることを質問することが出来たので本当に感謝しております。

とても内容の濃いワークショップだったと思います。何よりも主催者側のアイルランド音楽に対する真剣な姿勢が強く伝わってきました。


残るはパットのセッションワークショップ@名古屋&東京、そして最後に岐阜県上石津町で初の試みとして開催された、上石津ミュージックキャンプのレポート執筆です。
これらのイベントに参加された皆さんだけでなく、今後のイベントに参加をご検討中の皆さんにとって、少しでも助けとなりましたら幸いです。


望月えりか

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