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ブラックバードミュージック

Author:ブラックバードミュージック
ブラックバードミュージックは、等身大のアイルランド音楽の魅力を本国直送で日本へ紹介することを目的としたプロジェクトです。
名古屋のフィドル奏者小松 大と、在アイルランドの望月えりかが共同で運営しています。

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増えるミュージシャン、減るリスナー

2014.05.29 21:09|アイルランド音楽の今
先週末、パットとオーインがアメリカツアー中に親しくなった二人の友人が、我が家に宿泊していました。
フィドル奏者とマンドリン奏者の二人のアメリカ人女性とは、フィークルのパブでのセッションはもちろんのこと、自宅で曲を合わせたり音楽談義に花が咲いたりと、楽しい時間を過ごしました。

ちょうどクレア州の町エニスではフラヌア(Fleadh Nua)という音楽祭が開かれていたのですが、彼女たちは「自分たちの好みに合う音楽が聴けなかったのよ」ということで、早々にエニスを去ってしまったようです。

「エニスのフラヌア、もっと盛り上がっているかと思ったけど、ひっそりしてて意外だったわ」という彼女たちの感想に

「これでもここ数年で息を吹き返した方だと思うけどね」とパット。

「エニスのフラー(Fleadh アイルランド語で祭りの意)は70年代頃にはものすごい盛況ぶりだったんだよ」

1970年代といえば、アイルランド音楽が今ほど世界的に知られていない時代です。外国人の姿もちらほらあったようですが、フラーに集まる大方の人々はアイルランド人であったそうです。
フラーの期間中はエニスの町がごった返し、メインストリートのオコンネル通りなどは前進することさえ困難なほど人であふれていたといいます。
町から少し離れた公園はテントを張って寝泊まりする人々で埋まり、町中はまさに音楽一色。

「そんなに盛り上がっていたの?なのに今はこんなに息をひそめているなんて、不思議ね」

「あの頃はほかに娯楽も少なかったし、アイルランドの天気も今に比べて雨も少なく過ごしやすかったんだよ。それに、あの時代は今みたいにアイルランド全国に音楽のフェスティバルがあったわけじゃないからね。エニスのフラーをめざして、それこそ全国から人が訪れていたんだと思うよ」

これが、当時の盛況ぶりの最大の理由だったことは確かなようです。
面白いと思ったのは、もう一つ。

「あの頃フラーを訪れていた人たちの多くは、リスナーだったんだよね。つまり、自分は音楽は演奏しないけど、いい音楽を聴きに、そして祭りの雰囲気を楽しむためにフラーに来ていたんだよ。今は、これが逆転しているよね。演奏者ばっかり増えてる。みんな演奏したいために音楽祭に来る。一方で聴きに来る人たちの人口が減っている気がするんだよ」


[ストリートで、リスナーに囲まれて演奏するミュージシャンたち。1967年のクレア州、キルラッシュにて]

確かに、ここ10年以上のフィークルのフェスティバルの様子を見ていても、この傾向は顕著です。
パブでのセッションを見ていても然りで、時にはセッションで弾いているミュージシャンがほとんどで、音楽を聴いている人は一人か二人、なんていうこともあったりします。

これは、アイルランド音楽にとって大きな変化です。
ミュージシャンだけで楽しめるセッションというものももちろんあるはずですが、アイルランド音楽にとってリスナーの存在は大きく、両者の掛け合いが会話となって音楽が運行していく時、アイルランド音楽はその最高潮に達するように思います。

ミュージシャンの育成は盛んにおこなわれていても、いいリスナーになるためのレッスンはありませんから、リスナーの存在は完全に環境依存と言えます。
この先、両者のバランスが崩れていくのか、それともこれに応じてアイルランド音楽の姿がまた一つ変わっていくのか。
今後のゆくえを見守りたいと思います。


望月えりか

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