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ブラックバードミュージック

Author:ブラックバードミュージック
ブラックバードミュージックは、等身大のアイルランド音楽の魅力を本国直送で日本へ紹介することを目的としたプロジェクトです。
名古屋のフィドル奏者小松 大と、在アイルランドの望月えりかが共同で運営しています。

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セッションとは何か

2013.12.12 03:06|アイルランド音楽豆知識
このブログの中でもたびたび登場する「セッション」という用語があります。
アイルランド音楽を演奏する皆さんにとっては既におなじみの言葉ですが、初めて聞く方の中には具体的なイメージが浮かばない方もいらっしゃるかもしれません。

セッションは、アイルランド音楽を理解するうえで大切な部分を担う現象であると同時に、アイルランド音楽のあらゆる姿かたちを反映する、いわば鏡のような存在でもあるように思います。
そこで、今回の記事ではセッションの一般的な概要をお話しできればと思います。

セッションは英語の「Session」で、辞書で引くと「(会議などの)開会、会期。(ある活動の)集まり、集団活動」とあります。
英語圏に暮らしていると、この言葉は「この前○○という団体が企画したセッションに行って来ました」という具合に、「会合」や「集会」といった意味でもしばしば使われます。

アイルランド語では「seisiún」(セシューンと発音)と呼ばれますが、英語で話をしている場に突然この単語が登場することは稀で、やはり「セッション」と呼ばれるのが普通です。

セッションを一言で説明するならば、「カジュアルなセッティングにおいて、ミュージシャンたちが集まってお酒を飲んだりおしゃべりを楽しみながら、アイルランド音楽を演奏する場」となりますでしょうか。

フィークルフェスティバル2013 from 真衣さん (20)

一昔前までは個人の家で行われることの多かったこのような人々の集まりですが、現代のアイルランドにおけるセッションといえば、町や村のパブ(パブリックハウスの略ですが、今日ではお酒を飲むバーのこと)で行われるものを指すのが一般的です。

基本的には参加するミュージシャンたちが楽しむもので、コンサートやショーのようなパフォーマンスを披露する雰囲気とは異なります。
それ故、その場に居合わせた人々は静かに聴かなければならないわけではなく、邪魔にならない程度におしゃべりをしたりお酒を飲んだりして問題ありません。とは言え、アイルランドではよく音楽に無関心な客が大勢で酒を飲み、セッションを完全に無視して大声でしゃべるなどの光景は日常茶飯事です。ミュージシャンたちは当然不服なわけですが、どうすることもできず・・というシーンには私もよく出くわします。
やや語弊があるかもしれませんが、セッションとはパフォーマンスとバックグランドミュージック(BGM)のちょうど中間辺り、つまり常に静寂を保って聴くものでもなければ、完全なBGMとして無視して良い音楽でもない、といったところかもしれません。

セッションにおける聴衆、つまりリスナーの存在は不可欠です。
それどころか、演奏家とリスナーの関係を語ることこそが、アイルランド音楽の本来の姿を語ることでもあるように思います。これはまた一つの大きなテーマとなりますので、機会を改めて詳しく書いてみたいと思います。

さて、セッションはミュージシャンの仲間同士が集まり、自然発生的に始まることもありますが、たいていの場合はパブの店主が雇用するミュージシャンが2人ないし3人いるのが普通です。このミュージシャンたちがホストを務め、セッションは進行されます。
レギュラーのセッションであれば「毎週金曜日の夜9時30分~」とか「日曜日の午後2時~」という風に、たいていは曜日と時間が決まっています。

セッションは、基本的にオープンです。つまり、ホストのミュージシャンたち以外にも一緒に演奏を楽しみたいミュージシャンがセッションに参加することができます。
そのため、たいていのセッションにはミュージシャンが5人、6人、多い時には10人以上のミュージシャンがいることもあります。

参加できる楽器は限定されているわけではありませんが、一般的にはフィドルやアコーディオン、フルート、コンサーティーナなどアイルランド音楽で使用される楽器がメインです。

セッションはたいてい2~3時間休憩なしで行われます。パブを含めた公共施設での喫煙が禁止されてからは、喫煙のために外に出ていくミュージシャンたちのために、実質上セッションが休憩となる風景がよく見られますが、基本的には「前半と後半」などという考え方はありません。

また、セッションは音楽だけではありません。時にはセッションに参加しているミュージシャンによる歌が入ることもあれば、それまでバーに座って音楽を聴いていた聴衆の一人が突然歌い出すといったことも、アイルランドにおいてはよく起こります。
時には「語り部」(ストーリーテラー Story teller)と呼ばれる人による、短い話やジョークなどが入ることもあります。これもまた歌と同じで、その場に居合わせた人によって想定外に行われることが多いです。
更には、聴衆の中にダンスの出来る人が何人かいると、セッションの音楽に合わせてセットが組まれ、ダンスが始まることもよくあります。

フィークルフェスティバル2013 from 真衣さん (28)
[音楽に合わせてステップを踏むダンサー]

アイルランドには「Singing Session」(歌のセッション)といって、歌い手たちが集まって行うセッションもあります。この場合は楽器が入ることはまれで、無伴奏の歌い手たちが次々と得意の歌をうたってセッションが進行されます。

このように、セッションとは知れば知るほどアイルランド音楽らしい現象が一挙に凝縮された場です。
それ故に、アイルランド音楽を愛好する人々にとって、セッションは興味深いテーマではないでしょうか。
また、セッションに参加する際のルールやエチケットといったこともしばしば話題となり、注目されます。誰もが気軽に参加できるように見えるセッションは、実は思っている以上に複雑である、というのがその理由のようですが、同時にこれらのエチケットをすべて守っていれば大丈夫、という画一的なものでもなさそうです。
セッションに関しては、ほかにも「どのように音楽が進行されていくのか」といった素朴なテーマも気になります。
ブラックバードミュージックのブログでは、このようなセッションに関する踏み込んだ話題にも、今後焦点をあてていきたいと思っています。


望月えりか

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