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ブラックバードミュージック

Author:ブラックバードミュージック
ブラックバードミュージックは、等身大のアイルランド音楽の魅力を本国直送で日本へ紹介することを目的としたプロジェクトです。
名古屋のフィドル奏者小松 大と、在アイルランドの望月えりかが共同で運営しています。

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生演奏をできるだけたくさん聴く

2014.09.16 07:44|アイルランド音楽を学ぶ
ピアニストの中村紘子さんが、とある新聞記事の中でこう述べていました。

「この音楽で何を表現したいの?」
「最近は音大生に聴いてほしい音楽を薦めると、「ユーチューブで聴きました」で済ませちゃう。それは知識にしかならない。生演奏を聴かないと、表現の本質はわからないですよ」

クラシック音楽であれ、アイルランド音楽であれ、これは共通認識ではないかと思います。

最近は前述のようにインターネットを介して動画などを気軽に見ることができ、一方でコンサートへ足を運ぶ人々が減っていると聞きます。
デジタル化が急速に進む今の時代に、コンサートへ行くことが何やら非常にアナログ的で面倒だ、お金も時間ももったいない、と感じる方が多くいらっしゃるのかもしれません。

しかし、知識にしかならないデジタルを通して音楽を聴くという行為と、生でその音楽家の演奏を聴くこととは、そもそも比較のしようすらありません。

音楽は、本来ならイヤホンから入ってくる音源を耳で聴くものではなかったはずです。
演奏家と聴き手が、同じ空間を共有しながら紡ぎ出されるのが本来の音楽の姿であり、アイルランド音楽の場合はこの両者のつながりが特に強い傾向にあります。

アイルランドで暮らす人々が、ごく自然に持っているリズム感やグルーヴ。旋律の美しさやイントネーション。
アイルランドでは、楽器をはじめて間もない子どもたちでさえ、アイルランド音楽特有のノリを既に身につけていたりします。

「一体どうやったら、自分もああいう風に弾けるようになるのだろう」
「やはり外国人には無理なんだろうか。アイルランド人だからできる音楽なのだろうか」

このような疑問は、日本人だけでなく多くの外国人から漏れ聞きます。
しかし、当然のことながら「アイルランド音楽はアイルランド人にしかできない。アイルランド人の血が入っていなければ無理である」ということではないはずです。

ではアイルランドに暮らす人々と外国人との決定的な違いは何か。
これはひとえに「生の演奏をたくさん聴いているから」
「身近なところでいい音楽家たちの演奏を体で覚え、習得しているから」ではないでしょうか。

何度も繰り返すようで恐縮ですが、やはり「音楽は体験である」のです。

生で見て聴くという体験は、相当のインパクトを私たちに与えてくれます。
これに代わる体験は、何をどんな風に駆使しても、決して得られるものではありません。

自らアイルランド音楽を演奏される方にとって、アイルランドの音楽家たちの演奏を目の前で聴くという体験は、何にも代え難い貴重な機会です。

生演奏の価値を知っている演奏家は、確実に伸びます。
生演奏の価値を知らない人は、5年経っても10年経っても、ほとんど上達の見られないケースがあると聞きます。

生演奏をできるだけたくさん聴く。
どんな時代の中においても、不変の価値があるはずです。


望月えりか

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テーマ:アイルランド音楽
ジャンル:音楽

コメント:

「生」の中身

いつも楽しく拝読しております。

YouTube時代から動画を見てアイリッシュやり始めた口ですが、私も生演奏の重要性はひしひしと感じています。
まず、アイリッシュにとって命であるリズムのとり方が、音と動画だけではわからない。ある程度音源や動画だけを参考にして試行錯誤した後、いい演奏に生で接すると、「全身の動作が最終的に音になる」ということが重要で、結果の音だけを参考にしていてはリズム感の体得が出来ないんだと気が付きました。
体の動かし方も、平面的な動画では見て取るのに不十分で、立体的な空間の中で、奏者の息遣いや目配せまで細かに(無意識化にでも)見て取れる環境でないとよくわからないものだな、と感じます。
もちろん、奏者と聞き手のコミュニケーションで音楽が造られるライブ感というのもその場にいないと体感できないものですよね。

今の日本は、騒音がすぐ問題になるような生の音楽から遠い社会になってしまっていますが、生活に生音楽があるような楽しくおおらかな社会になるといいのになぁ、と思います。

Re: 「生」の中身

はじめまして、こんにちは。
このたびはブラックバードミュージックのブログにコメントをいただきまして、ありがとうございました。

生の音楽に触れることの重要性、まったくおっしゃる通りと思います。

デジタル化が進んだ近代では、私たちの音楽へのかかわり方が大きく変化してきています。そんな時代の中、デジタル化されたマテリアルを通して音楽を理解できる、という錯覚が起きているのではないでしょうか。

アイルランド音楽に関しましては、おっしゃる通り本来なら体で感じて学ぶ、五感で体得されるべきものがまずあり、これは何を演奏するうえでも基盤となるように思います。

実質的文化的にも、日本からは遠い国の音楽ですが、生の音楽(上質のものでなければなりませんが)を聴く機会が周りにあれば、できるだけ足を運んでいただきたいと思います。特に、鑑賞にとどまらず自らアイルランド音楽を演奏される皆さんにとっては、願ってもない貴重な学びの機会ではないでしょうか。

今後とも、ブラックバードミュージックをどうぞよろしくお願いいたします。
望月えりか
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