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ブラックバードミュージック

Author:ブラックバードミュージック
ブラックバードミュージックは、等身大のアイルランド音楽の魅力を本国直送で日本へ紹介することを目的としたプロジェクトです。
名古屋のフィドル奏者小松 大と、在アイルランドの望月えりかが共同で運営しています。

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量よりも質?一曲一曲に丁寧に向き合う

2014.02.05 10:47|アイルランド音楽を学ぶ
去年の秋ごろに、「メロディーを理解する、表現する」というタイトルで記事を書きました。
その時の記事では、日本をはじめ世界的に人気のあるアイルランドのフィドル奏者、マーティン・ヘイズのワークショップでの言葉を多く引用し、このテーマをひも解いていきました。しかし、アイルランド音楽を演奏するうえでのメロディーの重要性を説いているのは、何もマーティンだけではありません。

グローミング
[マーティン・ヘイズの最新プロジェクトであるグループ、グローミング(Gloaming)のメンバーたち]

彼は音楽家として今やあまりにも大きな存在であり、影響力も強く注目されがちです。しかし、メロディーを理解することの重要性は、フィークルフェスティバル中に私が受講したほかの二人のフィドル講師(アイリーン・オブライエンとイヴォーン・ケーン)をはじめ、アイルランド音楽の演奏家たちがみな口を揃えて説いていることは、前回の記事でも述べました。
そもそも、メロディーを理解して表現していくことは、アイルランド音楽に限らずどんな音楽にも共通する基本の一つではないでしょうか。
ただ、本来なら当然であるはずのこの姿勢が、アイルランド音楽においてはやや軽視される側面もあるようです。
この背景として、アイルランド音楽は一見シンプルな構成の短い曲の集合体であること、そして、その膨大な曲の量、という二つの組み合わせが起因しているのだろうか、とも思えます。

一つ一つの曲に時間をかけているよりは、数をこなしたい。実際にセッションなどに参加して弾くためには、ある程度の数の曲を覚えていなければ難しいので、心理的には一曲一曲に時間を費やすよりもつい新しい曲、次の新しい曲、と先走りたくなります。
国籍を問わず、常に新しい曲を覚えることにハングリーである人は数多くいるようです。

確かに、せっかくセッションに参加できても知っている曲が少ないと十分に楽しめなかったり、人によっては悔しい思いをするのかもしれません。

しかし、アイルランド音楽の演奏家として評価される時、その人がどれだけ多くの曲を知っているか、ということは実はあまり大事ではないのだな、と思わせる場面にしばしば出くわします。

「あの人は、『何か弾いて』と頼むたびに同じ曲を出してくるけど、なかなかのセンスだよ」
「レパートリーは少なめだけど、彼は何かすごくいいものを持っているミュージシャンだ」

レパートリーは少なくても、自分なりにその曲を理解し表現できる人というのは、それだけでほかのミュージシャンたちから高く評価されます。

また、一方で「あのフィドル奏者、腕はひどいものなのにこっちが出す曲は全部知ってて、くっついてくるんだよね。まいっちゃうよ」という逆のパターンもよくあるようです。

曲を構成するのはもちろんメロディーだけではなく、実にさまざまな要素が含まれています。
その曲を何度も反芻しながら、それらを自分なりに理解して表現していく。また、ほかのミュージシャンたちが同じ曲をどう表現して演奏しているのかを聴き込む、という作業も大変勉強になります。

時間のかかる作業ですが、パットが言うように「好きな曲を繰り返し繰り返し丁寧に弾いていれば、最初は気がつかなかった発見があったり新しいアプローチに出合えたり」もして、実に面白いものです。

何事もそうですが、「量より質」ということなのでしょうか。

そんなことを改めて学んだ夏のフィドルワークショップのあとには、謙遜でなく「ひょっとして私が弾けると言い切れる曲は、一つもないのかもしれない」とさえ感じました。
何かの縁で出合った素晴らしい曲の一つ一つ、ジグやリールの一曲ずつ。それがあまりに定番の曲であっても、「本当に私はこの曲を私なりに理解し、表現するところまでできているだろうか?」と、ふと立ち止まって考え直してみると、きちんと向き合えていない曲のなんと多いことでしょう。
これからも一曲一曲の中にいろいろな可能性を探しながら、丁寧に弾き続けていきたいと思います。


望月えりか

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