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ブラックバードミュージック

Author:ブラックバードミュージック
ブラックバードミュージックは、等身大のアイルランド音楽の魅力を本国直送で日本へ紹介することを目的としたプロジェクトです。
名古屋のフィドル奏者小松 大と、在アイルランドの望月えりかが共同で運営しています。

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ケーリーバンドに必要なもの

2016.05.05 01:58|ケーリーバンド
クレア州を代表するケーリーバンドの一つ、The Tulla Céilí Bandはここ東クレアを拠点に活動する息の長いバンドです。
先週末、フィークルの村でタラケーリーバンドの70周年を記念したアルバム発売のイベントが開かれたので行ってきました。

タラ70周年 (1)

ゲストに長年の戦友であるキルフェノーラケーリーバンドが招待され、2つのバンドの交友関係やエピソードがインタビュー形式で紹介され、面白い話をいくつも聞くことができました。

タラ70周年 (2)
[二大バンドの共演。タラバンドをサポートする実力派のダンサーたちによるセットもありました]

彼らの音楽は、静かに座っているのが非常に困難・・!これ以上にないほどのスウィング、ビートの嵐に心からワクワクしました。
音楽を聴きながら、最近人づてに聞いたある逸話を思い出していました。

子どもの頃から父の属するケーリーバンドの音楽を聴いて育った彼は、兄弟と共に自然と楽器を手にするようになったといいます。
自宅で楽器を練習している際、ロールやカットといった装飾音(オーナメンテーション)を入れようとすると、父親にフィドルの弓で手をはたかれた、と言います。

「そんなものに時間を費やすな。我々の音楽にオーナメンテーションなど必要ない。大切なのはリズム。ダンサーを躍らせるにはこれに限る」

そんな父親の背中を見て育った兄弟の演奏は、いたってシンプル。されど、とてつもなく力強いリズムがみなぎる演奏で、ケーリーバンドのサウンドを見事に受け継いだ世代を確立しました。

laictin naofa ceili band

そんな父親の指導を信じてひたすら音楽を続けてきた彼ですが、40代、50代と自ら年を取るにつれてケーリーバンド音楽以外のものにも耳を傾けるようになったと言います。すると、世の中には自分の演奏する楽器のエキスパートたちが出版する教則ビデオや本があふれている。ページを開ければ、楽器の演奏技法やあらゆるテクニックが解説付きで紹介されているではありませんか。
父親に叱られて以来、ほとんど関心も持たずにいたオーナメンテーションの数々。
「自分が何十年とやってきたこの楽器で、こんなにたくさんのことができるのか!」

今は毎日が驚きと発見の連続で、楽しくて仕方がないのだそうです。

父親に厳しくしつけられた自分たちの音楽。
ケーリーバンドの命はリズム。

彼らの音楽がここまでリズミックであるわけが分かると同時に、音楽に対する彼らのパッションと頑なな哲学を感じたストーリーでした。

フィークルキャンプ2016はまだまだ参加者を募っています。どうぞお気軽に私望月(info※bbird-music.com←※印を@に変更して送信してください)までご連絡ください。
フィークルキャンプの詳細はこちらです↓
Feakle Irish Music Camp 2016 ―アイルランド音楽を現地で学びませんか?―
2016年8月9日(火)~12日(金)日本全国より参加者を募集中!


ブラックバードミュージックのフェイスブックページでも、イベントページを設けております。
Feakle Irish Music Camp 2016(フェイスブック)



望月えりか

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加速するケーリーバンド?

2013.03.07 20:57|ケーリーバンド
先日、我が家の屋根を葺いてくれた友人リチャードに会いました。
彼はもともとコークの出身ですが、クレアに移り住んで何年も経つアイルランド音楽好きの男性で、今はクレアの中でも音楽の盛んなミルタウンマルベイに住んでいます。

フルートも吹くリチャードですが、なによりも素晴らしいセットダンサーで、「最近は外出していない」と言うことでしたがさまざまなケーリーバンドの伴奏で踊ってきた過去のある、ダンスを熟知した人です。

お茶をしながらダンスと音楽の話に花が咲きました。

リチャードをはじめ、彼らにとってアイルランドのダンスと言えばセットダンスを指します。
4組のカップルが一組になって輪を描くように立ち、数多くある「セット」と呼ばれるものに合わせて踊るのがセットダンスです。セットには決まったステップや動きがあり、基本的にダンサーはそれを体で覚えています。その上でパートナーとの掛け合いや合間に入れる自らのステップを楽しんだりします。

このようなセットダンスの会はしばしば「ケーリー(Ceili)」と呼ばれ、音楽フェスティバル中や不定期に町や村のホールで催されます。ダンス愛好家にとっては社交の場でもあるのです。
そしてそのセットダンスの伴奏を務めるのがケーリーバンド。彼らは例えばどのセットで何小節のリールを演奏するというような基本的なことはもちろん、このタイミングで曲が変わるとダンスとぴったり合ってダンサーが喜ぶ、といったセットダンスの隅々までを知っているケーリー専門のバンドです。


tullatrad1.jpg
[ダンスを楽しむ人々と伴奏をするタラケーリーバンド]


するとリチャードが実に面白いことを言います。

「最近のケーリーバンドはみんな速すぎるよね」

「速い伴奏の方が、最近のダンサーには好まれているようだ」

「どういうこと?」と尋ねると、リチャードの感触では「最近のダンサーは速い=エキサイティングで踊りやすい、って思ってる人が多いみたいなんだよ」と言います。

そして彼のお気に入りのケーリーバンドは?と言うと「それはやっぱりタラケーリーバンド(Tulla Ceili Band)でしょう」

タラケーリーバンドは歴史のあるアイルランドを代表するケーリーバンドの一つですが、私の住むフィークルの隣町、タラで結成されました。メンバーが入れ替わる中「タラの音」「タラのリズム」が次世代にしっかり継承されている、今でも非常に人気の高いケーリーバンドです。

カスティーズミュージックショップに勤める夫は「分かる分かる。店で働いてると、ときどきダンスの練習に使いたいから、とケーリーバンドのCDを求めてくるお客さんがいるんだ。僕もタラケーリーバンドが一番好きだから薦めるんだけど、『ダメダメ、タラは!テンポが遅すぎるのよね』って言われちゃうんだ」と言います。

一般的にケーリーバンドの音楽はパブでのセッションなどに比べれば格段に速く、タラケーリーバンドも十分なスピード感はあると思うのですが、他のケーリーバンドと比較するとややゆっくりめのようなのです。

リチャード曰く「速くないと踊れないって言うけど、それはダンサーの腕によるんだと思う。速い音楽でないと踊れないっていう人に限って、そこそこのダンサーだったりするんだよね・・」と厳しいお言葉です。

「タラの演奏するスピードでダンスを楽しめる人の中には、優れたダンサーが多い。タラの音楽は、彼らにとっていろんなテクニックやステップをはさみながら楽しめるダンス音楽なんだろうね」

「タラケーリーバンドの音楽は彼らならではのスウィングが効いていて、踊っていてすごくスリリングだし気持ちがいいんだ。彼らはダンサーのツボが分かっているんだよ」

とタラケーリーバンドを絶賛するリチャード。

セットダンスやケーリーバンドについては、また改めてまとまった記事を書きたいなと思いますが、今回はダンサーの一人としてのリチャードの話が私にとってはとても興味深く、また今のアイルランド音楽を象徴しているようにも思えたので取り上げてみました。

近年、ケーリーバンドに限らず速く弾くのがアイルランド音楽だ、という観念がはびこっているような気がします。でも、アイルランド音楽はスピードが全てではありません。もともとダンスのための音楽だということを考えたら、むしろスピードよりもスウィング感やリズム感が大事にされる音楽なのではないのかな、と思います。


望月えりか

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